道路交通法で制限される電動自転車
電動アシスト自転車は発進時、重い荷物を積んで走る時、急な坂道、向かい風の時など、ペダルを踏み込む量(踏力)に応じて電気の力で補ってくれます。
前に進む力を補って(アシスト)くれるから、電動アシスト自転車と呼ばれています。
但し、道路交通法でアシストする速度(時速24km)の上限が決まっています。
この上限を超えて電動で走る自転車は、一般にフルアシスト電動自転車と呼ばれ、国内の法規では「原動機付き自転車」と同じ扱いを受け、ナンバープレ-ト他、法規に合った改造が必要です。
購入時のままの使用は違反となり、公道を走ることはできないので、購入時注意する必要があります。
国産メーカーの電動アシスト自転車を選択する場合、問題ありませんが、外国製の物については事前の調査をしっかりとして、道路交通法に適合しているかどうかの確認が必要です。
この場合、知らなかったでは済ますことが出来ず、科料の対象となります。
電動アシスト自転車のアシスト比
道路交通法で規定されているのは以下の点です。
●時速10km以下では、人力を1とした場合、それに対して最大2のアシストが可能(33%:67%)
●時速10km~時速24kmまでは、その比率を速度に応じて徐々に下げ、時速24kmを超えるとアシスト率はゼロになる。
速度が低く、力が必要なときにはアシスト量を増やし、スピードが出てきたらアシストを減らし、やがてアシストゼロになるわけです。
時速10kmまでのアシスト量は、最大で2と規定されていますが、どの電動アシスト自転車でもアシスト量が最大の2になるわけでなく、自転車の使用目的に応じてアシスト率を変化させています。
アシスト量の比率が自転車の個性になり、たとえばスピードは出ないけど、粘りがあって力強いとか、発進時はもたつくけど、走り出すとどんどんとスピードが乗るなど、電動アシスト自転車の性格になります。
国産の各メーカー共、アシスト率の数値を公表していません。
但し、アシスト率の判断の手掛かりがあります。
◎パナソニックの電動アシスト自転車
パナソニックの中で、一番アシスト率の高い電動アシスト自転車は、ラクラクドライブユニットを搭載したものが該当します。
具体的に言うと、
がこれにあたります。
ラクラクドライブユニットは発進時、上り坂など、低速で強い力が必要な時に、強い力をかけても耐えられるように、強化ハブを使用していて、フレームの強度も強化されています。
ペダルを軽く漕ぐだけで、強力に進むことが出来ますので、脚力の弱いお年寄り、子供を乗せて走るお母さんなどに向いています。
◎Wセンサーシステム搭載モデル
2013年度モデルより、Wセンサーシステム(ヤマハのS.P.E.C.3と同様な)が一部の車種に搭載され始めました。
これはペダルを漕ぐ力(トルクセンサー)と前輪の回転数(車速)を計測して、ギア比に応じたて最大限のアシスト力を得るためのものです。
何故これが必要かと言うと、新基準のアシスト率、時速10kmを超えると徐々にアシスト率を下げ、時速24kmではアシスト率をゼロにすると言う基準に対応する為、パナソニックでは3速時のギアの回転数を基準に測り、これを車速情報として処理していました。
その為、低いギア(1速、2速)ではアシスト率が下がり始める車速が時速10km以下から始まってしまい、いちばんアシスト力が必要な、向かい風や登り坂などでギアを2速、1速に落とすと、アシスト力が不足する傾向にありました。
これを改善する為に、前輪に車速センサーを取り付け、1速、2速、3速、それぞれのギアで最良のアシスト量を得られるようにしたもので、名称は異なりますが、ヤマハのS.P.E.C.3と同じ技術を採用しています。
尚、3速固定でギアチェンジ無しで使う事が多い人には、この機能も全くメリットがありません。3速ギアの場合、アシスト率と速度の関係は、常に新基準の最大限の値になるからです。
2013年度モデルでは、12車種にWセンサーシステムが搭載されましたが、今後他モデルにも搭載されるようになるでしょう。
外見から言うと前輪ハブ(車軸部)に黒い円盤状の板が取りつけてありますので、一目で違いが判ります
Wセンサーシステムが搭載された車種は
- ビビ・EX(135,000円)
- ビビスタイル・DX (112,000円)
- ビビ・DX(109,000円)
- ビビ・SX(97,800円)
- ビビ・ラッテ (97,800円→107,000円)
- ビビ・バディ(109,000円)
- ビビ・EX・シティ (135,000円)
- ビビ・SX・シティ (97,800円→99,800円)
- ビビ・DX・シティ (109,000円→111,000円)
- エーガールズ (114,000円)
- シュガードロップ(98,800円)
- ララファイブ(115,000円)
- ビビチャージ・WT (165,000円→167,000円)
- ビビチャージ・W (165,000円)
- ビビチャージ・DT (129,000円)
- ビビチャージ・D (129,000円→131,000円)
- ギュット・ミニ・DX (147,000円)
- ギュット・ミニ (132,000円)
- ギュット・DX (147,000円)
- ギュット (132,000円)
- ギュット・プラス (121,000円)
- プレジア (126,000円)
一部車種で仕様変更に伴い、定価の変更があります
◎ヤマハの電動アシスト自転車
ヤマハの場合は「アシストLv」の項目で☆マークで判断ができます。
アシスト量最大は☆が6個です。
具体的には
以上がアシスト量が高い電動アシスト自転車になります。
パナソニックの項で説明しましたS.P.E.C.3(内装3段変速)の一部を除き全ての車種と、S.P.E.C.8(内装8段変速)が3車種、従来から搭載されています。
◎Wセンサーとトリプルセンサーの違い
2013年度モデルより、トリプルセンサーシステムが一部の車種に搭載され始めました。
従来の「トルクセンサー」、「スピードセンサー」にプラスして「クランク回転センサー」が追加され、合計三つのセンサーが搭載されています。
「トルクセンサー」は、ペダルを踏み込む力を測るセンサーです。
ペダルを踏み込む力は、時計で言うと1時(上死点)から5時(下死点)の間が、最大のトルクになります。
そして6時から12時までの範囲は、踏み込む力よりも惰性で、ペダルが回って行きます。
この間は踏み込む力(トルク)も弱くなり、それを感知してアシスト量も少なくなります。
アシスト量の変化を見ると、ペダルの位置が、時計の1時~5時の間が最大で、6時~12時の間が最小になり、大きくなったり小さくなったり変化します。
ここで「クランク回転センサー」の情報「ペダルは1分間当たり何回転しているか」を追加すると、ペダルが6時~12迄の間でも、トルクは少ないけど回転数が多いので、アシストを必要としている事が判り、アシスト量を減らさないようにします。
つまり、トリプルセンサーシステムでは、アシスト量の変化が少なく、よりスムーズなアシストが可能になりました
◎トリプルセンサーシステム搭載モデル
2013年度モデルから搭載されたのは
以上の車種になります
◎ブリジストンの電動アシスト自転車
ブリジストンはヤマハのOEM製品の為、表示方法も同じ、アシスト量最大は☆6個です。
具体的には
以上が強化ハブの仕様です。
パナソニックの項で説明しましたS.P.E.C.3(内装3段変速)の一部を除き全ての車種と、S.P.E.C.8(内装8段変速)が2車種、従来から搭載されています。
◎トリプルセンサーシステム搭載モデル
駆動系は全てヤマハのOEMですから、当然ブリジストンの電動アシスト自転車にも、トリプルセンサーシステムが搭載されました。
以上の車種になります
◎AERO-Lifeの電動アシスト自転車
手掛かりになるような表記がありません。
アシストレベルの高い電動アシスト自転車の場合、ペダルを強く踏まなくても、強い力を発生するため、漕ぎだしが楽になります。
荷物をたくさん積む必要のある人、脚力の弱った人、年配の人、などに向いています。